本巣市地域おこし協力隊~まっくす隊員ブログ

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2013年 07月 31日

直接、耳を傾けること。

視察が終わり、翌日は福島県いわき市「被災地スタディツアー」に参加しました。このツアーはいわき市の委託で「いわき復興支援・観光案内所」が行っています。中型バスで移動し、参加費用は無料です。福島県内で自治体がこのようなツアーを行っているのはいわき市だけということでした。今回僕が参加したコースは、いわき駅集合→豊間・薄磯被災地→小名浜港(昼食)→勿来(なこそ)発電所→いわき駅解散というコース。

JRいわき駅
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福島県いわき市は震災による人的被害は446名(平成25年6月24日現在)沿岸部では津波の被害は相当なものでした。しかし、南三陸や陸前高田、女川といったよく報道される土地と比べて、いわき市はあまり報道されずに、“マイナー被災地”という名がついているくらいです。(被災地にマイナーというのはちょっとあれですが…)実際に、皆さんもいわき市が被災地だという印象はあまり強くないのではないでしょうか。僕もこのツアーがあることを知るまではいわき市がこんなに被害を受けていたとは知りませんでした。知る機会がなかったといった表現の方が合っているかもしれません。


福島県いわき市薄磯地区薄磯海岸。津波で111名が犠牲となった場所。いわき市全体の人的被害が446名ですから、この薄磯地区で起こったことがどれだけのものであったか想像ができると思います。あの日、この地区の津波の高さは8.5mで、死者(直接死)111名。280世帯あった薄磯地区。今残っているのは19世帯のみ。波の音が静かに聞こえる本当に静まり返ったような町でした。とにかく静かでした。そして、実際に、被災をされた地元の方が語り部となり当時の生々しい状況を語って下さいました。津波が迫ってきた時、足が悪かった90歳の近所のおばあちゃんを置き去りにした話。野良犬が津波の恐怖で腰を抜かしていてその場から動けなくなっていた話。
「震災から2年4カ月経った今でも、普通じゃないです。妙にテンションが高い状態が続いています。1番心配なのは、その反動で鬱の状態が来るんじゃないかと不安で不安で…、いろんな場面でとにかく明るく振る舞うように努めています。」 「性格、価値観、人生観、すべて震災後で変わったと思う。」
「津波の音の記憶が全くない。あれだけ家を壊して、人だって相当流されているはずなのに、私の家内も同じで津波の音の記憶がない。理由はわからない」
「記憶はとぎれとぎれ。震災のあの日の記憶がとぎれとぎれになっているのは、全て思い出すと精神に混乱を起こすから。だってあの状態、あれ地獄だよ。あの状態の記憶を100%頭で覚えてたら、もう生きていけねーって。だから忘れさせてくれてるんですよ!私はそう思います。」
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堤防に描かれたカラフルな絵。地元の子供たちやボランティアの人たちが描いたそうです!
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小名浜港のいわき・ら・ら・ミュウでは大震災展が行われていました。
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小名浜港近くのお店。お母さんにオススメされて「なかおち丼」を頂きました!うまかったー。
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そして、常磐共同火力株式会社「勿来(なこそ)発電所」の見学へ!ここは、津波により発電設備が運転停止になる状況のなか、懸命の復旧作業で約3か月半の驚異的なスピードで8・9号機の再稼働をした火力発電所。電気を届けるんだという強い使命感で復旧作業をされたようです。本当に凄い!!
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NHK福島局の夕方のニュース。どれも震災関連ですね…。(1番目は大雨ですが)
全国のニュースでは震災関連のニュースばかりという日はなくなってきていますが、ここ福島では今もこのような状況です。福島に来てみないと、こういうことはわからないですね。
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いわき市内の映画館。こんな看板も普通にありました。
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自分で足を運んでみて、TVのニュースだけでは得られない本当に多くの学びがありました。
僕は、あの日は東京にいて普通に会社で仕事をしていました。あの突然の大きな揺れ、周囲の人の叫び声、そしてパニックになった東京。ただ、震災以降、実際に被災地には足を運んでいませんでした。それが心にずっと残っていました。今回は、いわき市が行っている無料のスタディツアー。実際に被災された方が語り部となってお話をしてくださるということで参加を決めました。どうしても当時の状況を知りたかった。福島の人たちの声を直接自分の耳で聞きたかったんです。何でもそうですが、現場でしかわからない事が沢山あります。今回の件は特にそうです。今はPCやスマホで沢山の情報をいつでも気軽に得ることができますが、やっぱり現地に行ってそこにいる人の声を聞くと全然違います。そして、忘れません。人から聞いた話だと「へーそうなんだ。大変なんだねー」で終わるかもしれませんが、自分の耳で聞いたこと、自分の目で見たことは決して忘れません。だからこそ現地に行くこと、直接何かを感じることが大事だと思います。これは被災地の件だけではなく、他の色々なことにも共通していると思います。本当に色々なことを考えさせられる機会となったことは間違いないです。語り部の方も震災から時間が経った今だからこそ、普通に話すことができるとおっしゃっていました。40分以上も当時の状況を思い出しながら話して下さった語り部の方の想いを伝えたいという思いから、ブログに書かせていただきました。何か伝われば嬉しいです!
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by motosu-neo | 2013-07-31 15:08 | 被災地スタディツアー


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