本巣市地域おこし協力隊~まっくす隊員ブログ

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2014年 03月 10日

根尾地域を震源に起こった濃尾地震を“伝える”人

東日本大震災から、明日で3年を迎えます。
6日、警視庁は2月末時点の被害状況を発表しました。
死者は12都道県の1万5884人で、このうち岩手、宮城、福島の3県で見つかった98人の遺体が身元を確認されていません。
負傷者は6148人で、依然として6県の2636人が行方不明だそうです。
東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、今なお身元不明の方が1日も早くご家族の元に戻られますことを切に願っています。
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今、僕がいるのは岐阜県本巣市根尾地域です。
122年前、1891年10月28日午前6時37分。
この根尾地域を震源に起こったのが、濃尾地震です。
マグニチュード8.0、日本の内陸部で起きた最大級の直下型地震で、震度7を記録。
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全国で14万戸を超える建物が倒壊し、7千人を超える人々が亡くなりました。
それに伴って生じた地震断層、延長距離80kmは世界的にも大規模なもので、特に根尾地域水鳥(みどり)地区では上下に6m、長さ1kmにもなる断層崖が隆起しました。この断層崖が根尾谷断層です。1952年、国の特別天然記念物に指定されました。
1992年3月、根尾谷断層を保存し、展示することを目的に、断層のずれを直接観察できる世界で初めての施設としてオープンしたのが、根尾谷断層 地震断層観察館です。根尾地域水鳥地区にあります。
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現在、根尾地域にはこの地震を経験した人はもういませんが、元小学校教諭の宮脇俊治さんがボランティアガイドを務め、地震の教訓や被災者の体験談を来館者へ伝えていらっしゃいます。今回は俊治さんに1時間コースでのガイドをお願いしました。その模様をブログでお伝えしたいと思います!!
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まずは、この写真パネルの場所へ。
水鳥地区で上下に6m、長さ1kmにもなる崖が出現した場所へ。
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この写真は地球科学者、小藤文次郎(ことうぶんじろう)氏が1893年に世界に向けて発表した論文に掲載された写真です。
この結果、地層の割れ目が起きると地震が起きるという事(断層地震説)が世界で認められたそうです。
それまでは、地震が起きると断層ができる、月の引力で地層も動いて地震が起きる、土の中になまずがいて地震が起きるなどの諸説がありました…。
この写真がきっかけとなり、断層や地震というものが学問として成り立ってきた、研究の始まりとなった貴重な1枚です。
▼この写真がまさに6m隆起した場所です。小高い丘のようになっている部分です。わかりますか?
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根尾地域(当時は根尾村)では145人が犠牲になり、791戸のうち無事だったのは8戸のみ。
地震発生の翌11月下旬には約1メートルの雪が積もり、村は食糧不足に陥ったそうです。
そんな中、村人同士で食べ物を分け合い、長い冬を乗り切ったとのことです。
「だいたい一つの集落で10人くらい亡くなった計算になるけど、10人の方、すぐにお葬式をしないかんけど、お坊さんも亡くなっているし、余震なんかもあるし、棺桶なんかもないし…、すごく苦労したんやよ。ただ縦型の穴を掘って遺体を並べて…、でも、服が裂けてしまってるもんで、裸にして埋めたんやけども…、裸のままに土をかぶせるといかにも可哀想、寒かろうってことで、自分たちの着ている服を脱いで、その遺体にかけてね、で、それから土に埋めて、自分たちは裸で帰っていったっていう話もある。」
それから、観察館の中へ入っていきます。
中には、地震解説パネルや、根尾谷断層の立体模型、濃尾地震の体験談パネルがあります。
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▼そして、メインがこちら、トレンチです!!
根尾谷断層そのままを大迫力で見ることができるようになっています。(※ちなみに館内の撮影はOKとのことで写真は載せています)
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左下の白い部分は塩。実際に貝の化石も出てきているので、ここが海の下にあったのかもしれないということも想像できます。
左上は粘土=水田。これは泥岩で、泥岩ってことは深い湖の底にあったということ。
細かな粒子が固まってできているので、割りと柔らかい部分の岩になる。
右側はギザギザの多い部分、溶岩が固まってできた玄武岩。
右上のちょっと白い部分はガラスに近い固さのチャート。
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川原にあったとされる石は丸く、横を向いています。
でも、ちょうど地層の裂け目が出来ている境にある石は、ちょっと上を向いていたり、完全に縦向きの石だったりします。自然ではなくて、そこから右側の岩盤がガァーと浮き上がってきた、そして境にある石が一緒に引きずりあげられて縦向きになったことが分かります。
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「縦揺れやよ、横揺れやよ、って言うけども、どんな方向にでも揺れとるやね。当時の人の言葉では田んぼや畑がもみくちゃになったって言っとる。」
▼近くの展望台から根尾谷断層を望むこともできます。
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また、地震によって、山を見ると、全部の木がなくなっている状態だったそうです。
その山に木を植え直して元の山に戻したのが金原明善(きんばらめいぜん)氏。
金原氏の石碑は淡墨公園の駐車場の近くにあります。
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根尾地域にはこういった石碑が随所にあります。
一つ一つ見ていくと、根尾地域のために尽力した人であったり、根尾地域で起きた歴史を伝えるものであったりします。
しかし、こういった石碑もどこにあるとか、どういう理由で建てられたとか、地域に知っている人がいるから色々と知ることができます。
今回の濃尾地震、根尾谷断層についても1時間、またはそれ以上に“伝える”ことができる人は俊治さんの他には1人しかいません。
今の時代、何でもインターネットで調べられる時代です。

そんな現代に、ガイドや語り部というものは必要ないのでしょうか…?

いえ…、決してそうではないと僕は思います。
昨年7月福島県いわき市を訪れた際にも書いていますが…、記事「直接、耳を傾けること。
やっぱり現地に行って、そこにいる人の声を聞くと全然違います。
そして、忘れません。
お話を聞いたあと、自分の中に残るものが違う気がしています。
今回も俊治さんのガイドのもと、一緒に根尾谷断層を見て、地震断層観察館を歩いてみて、とても印象に残りました。俊治さん、本当にありがとうございました!!
4月からは昨年に続き、淡墨桜の語り部ガイドを行います。
淡墨桜に逢いに来ていただいた方に“何か”を残せるように、頑張っていきたいと思います。


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地震断層観察館
(本巣市根尾水鳥512番地/TEL:0581-38-3560)
■開館案内
3月 10:00~16:00
4月 9:00~17:00(連日開館!!)
5~10月 10:00~17:00
■入館料
大人500円/小人250円
■休館日
月曜日(祝日の場合は、その翌日)

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by motosu-neo | 2014-03-10 06:45 | 地震断層観察館


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