本巣市地域おこし協力隊~まっくす隊員ブログ

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2014年 06月 05日

たった1人の集落に年間1,000人がやって来る理由を探る

6月1日(日)
福井県勝山市北谷町小原(おはら)地区へ視察に行ってきました!!

僕が住む本巣市根尾地域から勝山市北谷町小原地区までは国道157号線をひたすら北へ北へと向かいます。片道3時間弱です。
▼途中、岐阜県本巣市と福井県大野市の境に位置する温見峠(ぬくみとうげ)で休憩
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ここは1,617mの能郷白山(のうごうはくさん)への登山口となっていて、この日は20台近くの車が停まっていました。
なかには、ここまで自転車で来ている人も!!
ちなみに、この日の根尾地域の最高気温は33.6度…。(6月の観測史上最高/今年最高)
▼この方は羽島から4時間、80kmの距離を走ってきたそうです。
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片道3時間、福井県勝山市北谷町小原地区に到着しました。
▼小原地区の風景
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さて、ここで今回の視察の【目的】【経緯】をお話しておきます。

【目的】
→小原地区は1世帯1人だけが住む集落です。
しかし、驚くことに年間の交流人口は1,000人なんです。
地区出身者の有志が中心となり「小原ECOプロジェクト」を立ち上げ、白山麓の特異な歴史・文化・生活を後世に伝えるべく、地域の再生、自然環境の保護・整備を実施しています。
具体的には、生活体験(炭焼き・養蚕・わら細工)、林業体験や登山・動植物・自然ウォチングなど、各エコツアーを企画して、人々が自然と共に生きた証し、人々が自然とふれあい学べる地域づくりを行っているのです。
先月、越波(おっぱ)地区でも開催した「週末ワークキャンプ」も小原地区では何度も開催しています。
『住民自ら行う集落づくり』『週末ワークキャンプ』この2点は現在、僕が主に活動を行っている越波地区と共通した部分です。
住民の数も小原は1人、越波は2人です。
越波での地域づくりにおいても必ずヒントとなるものを得られるんじゃないかということで、越波地区自治会長の三郎さんを誘って小原地区を訪問することにしました。

【経緯】
→昨年の11月中旬、勝山市北谷町(小原ではない地区)で開催された「週末ワークキャンプ」に参加した際に、主催者の方に自分自身の地域おこし協力隊としての活動のことを話していたところ、その方に、実はこの北谷町にも越波という似たような集落があると教えていただきました。
そこでは「週末ワークキャンプ」を始め、若者を集めて様々な取り組みをしていて年間の交流人口も1,000人を超えているという話を聞いて…。
これは絶対に行かなくてはと思っていました。
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今回は、勝山市北谷町で「北谷地区活性化・再生に向けた協議会」メンバーとして活動している同い年の松本さんにお願いして日程調整をしていただきました。本当に色々とありがとうございました!!
訪れた6月1日(日)、小原地区では赤兎山(あかうさぎやま)開山祭というイベントが行われていました。
山開きのイベントということですが、こちらは数年前から小原地区出身者らが中心となって運営されている行事だそうです。
小原地区の出身者の方や勝山市内の他の地区に住む若い人も含めて、アットホームな雰囲気での運営を見ることができました。

▼お話を伺った小原地区区長の杉吉政己さん(写真中央)、越波地区の三郎さん(写真左)、僕(写真右)
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杉吉さん自身は小原地区生まれで小学校卒業までは小原地区に住んでいました。
その後は小原地区を離れて鯖江市や福井市でも生活していましたが、数年前から勝山市に戻ってきて現在は小原地区区長として活動されています。
当初、小原地区はたった2人だけの集落と聞いていましたが、
昨年1人の方が亡くなられたということで、今は70歳の男性の1人だけが小原地区に住んでいる状況だそうです。

―――小原ECOプロジェクトが立ち上がったのはどういうキッカケでしたか?

「今から6~7年前、当時は16軒くらいあった時にこのままだったら高齢化もしてるし、人もどんどんいなくなるし、さぁ、どうしようかと皆で話し合った時に、一部の住民がよそ行って人がいなくなった時に石碑を建てて、ここに小原っていう集落があったというのはやめとこう、昔ここに家があったんやというのはやめとこう。我々がいる限り、どうにか人の交流ができる場を作ろうというのが始まり。最初は色々と模索していた…。その話し合いの1年後に豪雪があったんですよ。民家が片っ端から雪で潰れてしまって…。まず民家を修復しないかんとなって…。その時偶然、福井工業大学の先生が勝山市内の民家の調査をしていて、その方と偶然に知り合って。小原も対象地域に入っていると聞いて。それで、1軒でも民家の修復をしてその民家を人の交流ができる場として使いたいんです、とお願いしたところ、協力しましょう!!となって。で、それから毎年、夏の1か月の間に福井工業大学の建築を学ぶ学生たちが小原に来て民家を修復しながら自分たちも共同生活を送るという取り組みが続いています。」

このように小原ECOプロジェクトでは、福井工業大学の建築を学ぶ学生たちを受け入れています。
その他にも、越波地区でも開催した「週末ワークキャンプ」、1週間の日程で行う「ワークキャンプ」、家族連れの受け入れも行っていて、年間の交流人口は1,000人だということです。
住民たった1人の集落に1,000人です!!
リピーターとなって小原を訪れる人も多いようですが、もう寒くて嫌だと言って来ない人も若干いるとお話してくださいました。笑


―――そういう若者が小原地区に入ってきて住民、出身者の方々にどういう影響がありましたか?

「うん、何ていうのかな。やっぱり若い人の声が集落に響くっていうのが楽しみになっている。民家修復で自分の家がだんだん修復されているのを実感できるのも、なお良いのかも。」


―――最後に、これから小原地区をどうしていきたいですか?

「このままこうやってずっと維持していけたらいいかなって。あんまり手を広げると自分たちが辛くなるんです。やりたいことは一杯あるんですけど、それを次から次へっていう訳にはいかないんでね。また飽きた頃にまた新しいことをやるって感じです。一つ一つゆっくりですね!」
「来ていただいている方に楽しんでもらうのも大事だけど、やっている自分たちがまず楽しまないと。だから慌てる必要もないし、ゆっくりやればいいんじゃないんですかね。」


この言葉については、一緒に来ていた越波の三郎さんも同じ考えのようでした。
そういう考えを持っている方が、集落づくりの中心にいることはとても大切な要素になると思います。
今回の視察では当初1人で行く予定でしたが、せっかく行くのなら越波の自治会長である三郎さんにも直接お話を聞いて何かを感じ取ってもらえればという思いもあり2人で行くことにしました。
視察に行った僕から小原で撮った写真を見せながら小原の話をするのと、実際に自分の目で小原を見て小原の人の話を聞くのとでは全く違う印象を持つと思います。
実際に、三郎さんは帰る途中で何度も「今日は来て良かった。」と言っていました。
越波地区出身者の仲間の方々にも、きっと今回の話をしてくれると思います。


▼イベントで売っていた栃もちを購入。柔らかくて美味しかったー。
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▼よもぎの天ぷらも美味しかったー。
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杉吉さんはこんなこともお話してくださいました。

「これからの時代っていうのは、そこにずっと住むという考えじゃなくって、週末でもいいから住民が畑やりにとか何でもいいけど、集落に帰ってきて、住むわけじゃなくて、そうやってやるのが主流やと思うんですよね。ここに来て住みたいと言っても、なかなか難しいし…。最初から住んでた人はそんなに苦にはならないですけど。都会から新しい人が来たとしても意欲だけはあってもなかなかね…。だから逆に言ったら、1週間でも2週間でもいいから生活を体験してもらうっていうのがいいのかなと。冬なら雪が沢山降るので雪かきを体験するとか。」

今やライフスタイルが多様化している時代。
本当に杉吉さんがお話してくださったことには、共感する部分が多いです。
ただ価値観が異なる人にとっては、当然異なった考えを主張する方もいるかもしれません。
小原地区と越波地区。
どちらも、そこにずっと住むという考えではない方法で集落が生きている地区です。
人が住まないとダメだよね、という考えもあるかもしれませんが、この2地区のようなアプローチの仕方があっても良いと僕は考えます。
そう言えるのは、地域おこし協力隊として根尾地域で活動し、越波を知り、そして小原を知ったからこそです。
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by motosu-neo | 2014-06-05 10:06 | 視察・研修・セミナー


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