▲国道157号線(根尾能郷~根尾黒津)
この日は、地元の人たちも滅多に通らない国道157号線を走って、携帯電話の電波が届かない黒津集落へと向かいました。
普通自動車が1台やっと通れるくらい、ガードレールもないカーブが続きます。
この道を無事通過すると、黒津集落が見えてきます。
▲冬期閉鎖を前に、雪囲い作業も終わっている様子。
この日は、黒津集落に住む光子さんにとって冬期閉鎖のため集落を離れる日の直前でした。
例年、黒津集落への道(国道157号線の一区間)は豪雪のため、冬期閉鎖となります。
光子さんは冬期閉鎖の期間は街に住むお子さんと一緒に暮らします。
▲黒津集落にたった1人で住む光子さん
光子さんは黒津集落で生まれて、84年間、ずっと黒津集落で暮らしてきました。
「街に出ようとは思わなんだ。街の方が便利だとは思わへん。田舎の方が好きやで。田舎の生活の方がいいね。」
「その時は不自由なこともあったやろうけど、今では不自由したとか、苦労したとかって思いだされへん。今幸せやなぁ~って思う。」
「色んな人の出会いがあってね。良い人に恵まれて、そして皆良い出会いがあって~、良い人ばかりに出会って~、ここまで来れたんね、有難いと思って。皆さんに感謝しています。」
「出会う人出会う人が気の合う人ばっかで、出会いが良かったもんで、今でもこうして元気でおられるんや。」
「街に出ようとは思わなんだ。(思わなかった)」
18歳で上京した自分とは正反対の言葉でした。
「良い人ばかりに出会って~、ここまで来れたんね、有難いと思って。皆さんに感謝しています。」
心からそう思っていることが伝わる言い方でした。
この日、光子さんの言葉を聞いて、やっぱり
『人』なんだなー、としみじみ思いました。
結局、そこなんですよね。
帰り際、光子さんが「あんたとの出会いもそうや~。」と言ってくれました。
光子さんにとって“気の合う人”に選ばれたのかと思うと、とっても光栄に思います。
▲集落を離れる際に光子さんが笑顔で言った一言
この部分、先日放送された名古屋テレビ(メ~テレ)の「UP!」という番組で、黒津集落・越波集落を特集していただいた12分間のVTRの最後に流れました。
「来年は余計元気になって来るよ。」
不意を突かれて思わず笑ってしまいましたが…笑、その一言を自然と言えるところは本当に凄いなぁと思いました。
光子さんには、来年も再来年も、変わらずに元気でいてほしいです。
今年は、休日にも何度も黒津集落に足を運びました。
また、必ず会いに行きます!
▲12月6日(土)から冬季閉鎖となった国道157号線(能郷~県境)